税理士の価値を、社会へ。そして、次の世代へ。
私が日本税育協議会を立ち上げた背景には、自分自身の失敗があります。
税理士になってから税務判断を誤り、賠償問題となり、事務所経営にも大きな影響を受けました。
その経験から、税理士という仕事がどれほど大きな責任とリスクを背負っているのかを、身をもって知りました。
税法は年々複雑になり、求められる専門性や判断の難易度は高くなっています。
一方で価格競争は進み、税理士が担っている責任や、本来持っている価値が、社会に十分伝わっているとは言えません。
税理士の価値を決めるのは、税理士ではない。
どれだけ私たち自身が「価値のある仕事だ」と思っていても、経営者や社会に伝わっていなければ、その価値は正しく評価されません。
だからこそ、税理士はもっと外へ出て、
「税理士がいるから、会社が強くなる。」
「事業のことなら、まず税理士に相談しよう。」
そう思ってもらえる存在にならなければならない。
そして、これは一人ではなく、税理士みんなで取り組むべきことだと思っています。
なぜ、子どもたちは「税理士になりたい」と思わないのか。
稼げる、稼げないという話以前に、私はもっと根本的な理由があると思っています。
「税理士が、社会で何をしている人なのか分からない。」
警察官なら、社会の安全を守る人。
医師なら、人の命や健康を守る人。
子どもたちにも、その仕事が社会で果たしている役割が見えます。
では、税理士は何をする人なのか。
税金を計算する人なのか。
申告書をつくる人なのか。
それだけでは、私たちが本当に担っている価値は伝わりません。
価値を言葉にし、社会へ、子どもたちへ伝える。
企業のお金を見て、経営者に寄り添い、事業の成長を支える。
企業が生み出した価値と納税を通じて、社会を支えていく。
私たちはまず、税理士が社会にどんな価値を提供する職業なのかを、言葉にしなければならない。
そして、その価値を経営者だけでなく、社会へ、子どもたちへ伝えていかなければならない。
AIによって仕事も社会も大きく変わる今は、税理士の役割そのものをもう一度考え、新しい文化をつくることができる変革期でもあります。
だからこそ、私はここに挑戦したい。
税理士がもっと頼れる存在になり、もっと頼られる存在になる。
そしていつか、子どもたちが税理士という仕事を見たときに、
「人や企業を支え、社会を良くしていく仕事なんだ。」
と分かるようにしたい。
そのためには、まず私たち自身が挑戦し、その背中を社会に見せていく必要があります。
税理士の価値を言葉にする。
社会に伝える。
そして、次の世代に新しい税理士の姿を残す。
これは、人生をかけてでも取り組む価値のある挑戦だと思っています。
それが、私が「税育」に取り組み、日本税育協議会を立ち上げた理由です。